決勝 ヒート1 午前中の雨でコース上のホコリが流され、完全ドライになると同時にメガグリップとなったケイチューン。注目のコンペティション決勝第1ヒートは大波乱の展開となった。例によってオープニングラップは大きな混乱もなくこなした全車だったが、その後なんとトップを行くクルマが次々に代わるという不測の事態となった。 まずダンゴ状態から抜きん出たのはTQの竹迫選手。その後ろにはフランク、菊池、峰岸の各選手が僅差で隙を狙おうと大バトルを展開! 菊池が2位浮上、フランクがそれを抜き返し、その二人のバトルを尻目に今度は峰岸が2位浮上! と、目が離せない緊迫した状態となった。その2位以下の集団がジリジリと竹迫選手にプレッシャーを与える中、出遅れた伊藤選手がなんとかトップ集団に追いすがろうと、ものすごい追い上げ! 3番手をいくフランクの背後にまで浮上するという猛追だ。 一方5番手以降の森、田尾、アキ、飯生、鵜島の各選手もしっかりとクリーンな走りでラップを重ねた。 台風のようなレース展開の中、2位以下のあまりにも強いプレッシャーに耐え切れなくなったのか、トップの竹迫選手が右最終コーナーで痛恨のスピンアウト! それをアウトから交わしてトップに浮上したのはなんと峰岸選手! さらに3位につけていたフランクが2位に浮上か!? と思ったその瞬間、インを突いて前に出たのは伊藤選手、それに驚いたフランク選手は「シマッタ」とばかりに猛追し、同ラップの左シケインでまた抜き返すという激しいバトルとなった。 「峰岸選手、ユーアーリーダー!」というアナウンスに拍手が起こる中、フランクと伊藤選手のバトルに菊池選手も加わり目が離せない状態になったが、伊藤選手が二人をジリジリと離しにかかった。一方トップを走る峰岸選手は快走!「5分の1を始めて、今までで一番緊張したし一番嬉しかった」と後のインタビューで語るほどの快挙となった。 やがて2番手をいく伊藤選手にフランクが果敢にしかけ、抜きつ抜かれつの2位争奪バトルを展開、結局それがトップを行く峰岸選手にプレッシャーを与える結果となり、耐え切れなくなった峰岸選手はインフィールドS時で痛恨のテールスライド! その間隙を縫って伊藤、フランク、そして菊池選手がドドッと新たなトップ集団を形成した。トップは伊藤選手。
新たなトップ集団の均衡が崩れたのはその直後であった。レースがスタートしてから約15分後、タイヤのタレが原因なのかフランクのテールが高速コーナーでブレイクし始めた。その背後にいた菊池選手はタイヤを温存していたのかすぐさま2位に浮上、その勢いのままトップをいく伊藤選手にも襲いかかった。直前までの大バトルでタイヤを疲労させていたのはフランクだけではなかった。伊藤選手はぎりぎりまでトップを守ろうとしたが菊池選手がそれをピット前でオーバーテイク! 今度は菊池選手が新たなリーダーとなった。 次なる見どころはなんと言ってもフランクの追い上げだ。ここで大きく離されたのでは挽回不可能と誰もが読んだ中、彼の走りはそれまでとはまるで別モノ! 淡々とマイペースでタイムを刻む例の”フランク走り”で順位を上げ、気がつけばまた2位を行く伊藤選手とバトルを展開していた。一方、トップを走っていた菊池選手のクルマもかなりタイヤに負担をかけていたのか、左スイーパーからバックストレッチに向かう高速コーナーで痛恨のブレイク! それまで後塵を浴びせていた伊藤、フランクの各選手がすかさずそれを交わして再びトップ争いを展開することとなった。そしてこのレースは最後にもうひとつの山場を迎えた。 このままあと数周で優勝、というプレッシャーの中でプロポを握っていたのは伊藤選手。しかしその背後にはフランク選手がノーズでリアを突っつかんばかりに迫っている。二人の緊張は頂点に達し、2台はピット前で接触スピン! 誰もが息を呑んだが、しかしフランクのジェントルな判断で伊藤、フランクの順位は変わらず復帰した。 その後もこの2台のバトルはさらに続き、そして残りあと1分となったところでドラマは生まれた。右インフィールドの短いストレートからピット前にアプローチする左コーナーで、伊藤選手のアルファがほんの少し空けたインを見逃さなかったフランクのレクサスが鼻を突っ込み、そのままトップに浮上! なんとこのヒートで初めてトップを走ることとなったフランクは、リーダーとしては最小数回数ではあったもののそのままゴール! 見事チェッカーフラッグをくぐった。 2番手には伊藤選手が入り、3番手には……。多くのギャラリーがトップ争いに注目していた中、3番手争いを形成していた菊池、峰岸両選手の隙を虎視眈々と狙っていたのはゼッケン4番の田尾選手! さすがの豊かな経験を活かしたコンスタントなレースを展開し、終わってみれば3位という、渋い結果を叩き出した。4位には峰岸選手が、5位には菊池選手がそれぞれくいこんだ。
<ファイナルのレポート2へ続く> |